こんにちは。先生にゆうたろうです。
長雨ですね。この調子だと、梅雨が明けたら秋が来ちゃいそう。
※ここからのお話はあくまでも個人的な感覚です。細かい錯誤などあるかもしれませんが、暖かい目で付き合ってくださると幸いです。
さて、今回はVtuber(以下「V」)の出世について考えてみたいと思います。
そもそも「出世」とは?って感じですが、今回は「Vとして次のステップにすすんだと自他共にわかるタイミング」と定義してみます。
2015年12月に登場したキズナアイ を筆頭に、これまで色んなVが出てきました。特に2018年以降は質/量/形態の多様化が加速してきているように感じます。
あくまでも肌感覚ですが、Vtuberの歴史をざっくり分けると
「Youtuberの延長線上」(2016頃)
「アニメの延長線上」(2018頃)
「ラジオの延長線上」(2019~現在)
という3つになると思っています。
これらそれぞれの時期における「出世」を見ながら、その変化を考えていきたいと思います。
目次
Youtuber期
普通のYoutuberと違うぞ?と思ったそこのあなた!なかなか鋭い…!
「バーチャルユーチューバー」って響き、かっこよくないですか?
当時話題にあがることが多かった「YouTuber」を念頭に置きながら、「人間」とは違うやぞという「設定」を前面に押し出すタイプでした。
懐かしいわね…
当時は人間味を出さないのが主流で、そこから外れたら人気が出なかったりぶっ叩かれたりしてました。当時ギバラがデビューしてたらこんなバズってはいなかったはず。
ここでの「出世」とはチャンネル登録者数の多さはもちろんのこと「何かしらのメディアに取り上げられる」ことだったと思います。ネットニュースだったりテレビだったり、そういうメディア媒体で特集されてはじめて大きな壁を乗り越えたと思える時期でした。
この時期のそらちゃんを知ってる人はどれぐらいいるんだか……
登録者数は50万、多くて100万人を目標に頑張るVが多かったように思います。
アニメ期
2018年以降、Live2Dの登場やらなんやらで3DじゃなくてもVができるようになりました。そこらへんの詳細は先人たちがたくさん考察してくださってるので割愛します。
そういえば学校の短編ドラマみたいなのに出てましたね(?)
こうなると、アニメキャラがリアルタイムで配信しているのと同じになります。アニメキャラと話すなんてまるで夢のようですね。オタクの夢が叶ったこと、そして技術面でブレイクスルーが起きたことで見る人もする人も増えていきました。
この時期における「出世」は、3Dを受肉してあわよくばライブに出ることにシフトしていきました。登録者数10万〜20万が3Dのラインとなり、そこを目指してアニメキャラがえっさほいさ頑張る姿を応援する、そんな図式が出来上がったように感じます。
ただ、個人的にはこの時期はとても短かったと思います。その原因はアニメキャラが生放送で話してワイワイする以上に、視聴者がキャラクターに「人間味」を求めるようになったからです。ここら辺からVキャラ設定が意味をなさなくなり、喋ってる人の「身近さ」が重視されていくようになったと思います。配信(の内容)に重点を置く動きは、Vを「ライバー」と呼び始めたことにも少なからず現れていると思います。
〈おまけ〉
この辺りからキャラ設定を守るVより人間味を出すVの方が伸びていったのは、AKB総選挙でまゆゆよりさっしーの方が伸びる理由となんとなく重なるんじゃないかと思ってます。この流れは舞台に関わらず世の中の「トレンド」なのかもですね。
ラジオ期
「投稿」より「配信」が増えていった結果、1時間越えの動画がザラになったV界隈。2018年当時はその原点を作ったとも言えるにじさんじを批判する記事とかもありました。どっかいっちゃったけど。最近はむしろ評価する記事の方が多い気がします。
新規ファンが増えない懸念はあったけど切り抜きやらまとめ動画を容認して結果爆発的にこの形態が増えた、といった辺りの考察は先人方が(以下略)(なんでも他人任せ君)。
とはいえ、1時間とか2時間とか、普段なら見ないであろう時間を費やしてなんで見ちゃうんでしょうね。ゲーム実況はともかく、画面を見ればコメントとちょっとだけ動くキャラと何かしらの背景だけです。それを1時間眺めてるって何事?という気もしてきます。
いつだったか忘れちゃったんですが、『news zero』でVtuber(主にキズナアイ)の特集があった時、有働さんがこんなことを言ってました。
「Vtuberってみんな可愛いからそこで差はつかなくて、結局中身を見るようになりますよね」
似たようなことはキズナアイ自身も言ってたりします。
まじでとんでもない配信だったから人類観てくれ
55:40辺りから。これをさらっと言える親分はやっぱ親分なんすよね。
とにかく、こうした話を踏まえると、キャラの顔面の良さではなく、その人が何を話すかにより重点が置かれるようになっていきました。面白いこと、エモいこと、常軌を逸したことを言うから面白い、スパチャも投げちゃう。
これって動画のついたラジオ、もっと言えばネットラジオそのものじゃないでしょうか。
で、ラジオの内容が、その人がどんな感じで話してるのかも含めて視覚情報に入ってきたらめっちゃ面白そうだなって思いません?
そんな時にいいタイミングで来たのがLive2Dの技術革新です。これによってこんな出世ステップが出来あがりました。
立ち絵→新衣装(10万)→Live2D(15万前後)→3D(20万)
〈注:数字はにじさんじ所属のVを念頭に置いてます〉
時代は群雄割拠、まずは10万人、あわよくば20万人を目指して頑張っていこうという状況になってきているとおもいます。
〈おまけ〉
ホロライブの伸びが最近異常に伸びてますね。白上フブキが登録者70万人超え、他も40万人超えが続々出てきています。にじとホロはAKBと坂道(特に乃木坂46)の関係にすごく似てると思います。いわゆるポジショニング戦略ってやつだと思いますが、「適度なアイドル性」と「圧倒的可愛さ」で炎上とかそういうのを何も考えずに配信を観れるホロが伸びてるのは、それだけ世の中で(人間関係含め)色々考えなきゃいけないことが増えてるのかな〜と思ったりします。
まとめ
Vを3つの時代に分け、「出世」についてみてきました。初期に比べるとメディア露出に重要性はなくなり、「いかにして3Dを勝ち取るか」「30分以上耐えられないアニメオタクをどうV界隈の配信形態に順応させるか」にシフトしてきていると思います。
この流れについて賛否両論はあるでしょうが、僕はそこに突っ込むつもりはありません。むしろ、キズナアイやその視聴者が当初想定していたであろう「バーチャルユーチューバー」がたった4年でここまで変化したという事実に目を向けなければいけないと思います。
にじさんじやホロライブに入れば、初配信の前に登録者数3万人獲得でき、10万人記念配信もすぐできちゃう時代。でも小箱や個人勢だと1年やって5万人いけば万々歳。有名イラストレーターですら(ごく一部を除いて)1000人も難しい。技術革新で配信者の幅は広がりましたが、視聴者の固定化と広がりのなさは依然として厳しいものがあります。
さらに、2Dでもできることで、最初から3DのVはむしろ敬遠されるようになっていると感じます。3Dを持っていたとしてもLive2D配信をする、といった方が圧倒的に多いのはその証左ではないでしょうか。(配信者の技術的な問題も当然あると思いますが)
初期には「キャラそのもの」を示していたアバターは、今は「視覚情報を消すための道具」になっています。余分なものをカットしたことで欲しい情報がより入りやすくなっているともいえるし、バーチャル空間を十分に活かせてないとも言えます。
Vtuberってなんなんだろう。この界隈の到達点はどこなんだろう。改めてその意味を考える時間が、僕たちには必要なのかもしれません。
ではまた、次の記事でお会いしましょう。